人家の無い林道をひた走ると、一軒だけぽつりとこの「瑞牆山荘」が現れます。
瑞牆山や金峰山を目指すハイカーが宿泊することも多いようです。
立ち寄りはしませんでしたが、食堂はかなりオシャレな感じ(カフェテリア風?)に見えました。
またトイレ(冬期は閉鎖)、バス停が近くにあり、40台くらい停められる大きな無料駐車場もありと、登山口としての機能はばっちりです。
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フィトンチッドの濃厚な夏の山道を登ると、小屋が見えてきます。
富士見平小屋です。
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かつてここで忌まわしい出来事があったとのことですが・・・
何しろ昔のことなので詳細はよく知りませんが、1983年に殺人事件があったと聞きます。
その先入観があったせいでしょう。
遠くの枯れ木などが人の姿に見える錯覚が何度かあり、少々動揺しました。
往時を思わせるものなど何も無い、ただの明るい登山道なのですが。 |
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富士見小屋を後にしてしばらく行くと、小川山への地味な分岐があります。
標識が無ければ見過ごしてしまいそうな、薄い道が分かれています。
小川山がどういう山なのか、この時は予備知識が無かったのですが、瑞牆山の山頂から眺めてみると、意外にも存在感のある膨大な山でした。
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途中、天鳥川を渡ります。
といっても、かなり源流に近いあたりで流れも細いため、靴を濡らすこともなく楽に飛び越えられます。
ただし、増水時は渡渉禁止との看板がありました。
川を渡ったあたりが広場になっていて、ベンチもあります。
せせらぎの音も心地よく、休憩には好適地のようです。
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天鳥川を渡ると、いよいよ岩の多い斜面を急登。
ぐんぐん高度を上げていきます。
途中でザイル有り、ハシゴ有りの岩場を乗り越えて、一路高みを目指します。 |
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やがて樹木が途切れる頃には、圧倒的な存在感の「大ヤスリ岩」の足元に来ています。
この岩の右側を巻いて登るのがコースです。
が、間違えて左側を巻いてしまいました。
その先は足場が尽きて、足の下は遥かな断崖でした。
気を取り直し、正しいルートに復帰しました。
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大ヤスリ岩を右に巻き、次は山頂部分の岩を左から巻くようにして、最後は北から山頂に登りつめます。
最後のハシゴを登ると、樹木が途切れ、一面の青空と「瑞牆山」の山頂標識が!
山頂は、風雨に磨かれて角のとれた巨岩の上でした。
足元は一個の岩なのかどうか、判然としませんでしたが、樹木は無く、眺望は最高です。
9月の青空がどこまでも広がっていました。
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山頂に着いた12:10頃は、先客が一人いた程度だったのですが、少し休んでいる内に、後から後からハイカーがやってきました。
平日にもかかわらず、気がつくと山頂は大賑わい。
なぜかザックを背負っていないギャル風のコまで居て、一瞬、700m以上の標高差を疑いました。
さすが、百名山の声望は偉大なものがありますね。
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山頂からも、大ヤスリ岩は実に目立ちます。
頂上部に微量の草木が生えていることが、上から見て分かりました。
しかし、どこから見ても上に登るルートは見当たりません。
ロッククライマーを含めても、果たしてあの上に登った人間はいるのでしょうか・・・
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信州の山々はあまりピンと来ないのですが、東方を眺めると、お馴染みの金峰山が雄大な山容を現していました。
近くで見ると巨大な五条岩が、とげのように小さく突き出ています。
以前、金峰山に登った時は、稜線から瑞牆山の不思議な山容を眺め、どうやって登るのだろうと想像したものでした。
それが今度は逆に、その瑞牆山の上から金峰山を眺めています。
この2つの山は、近くに並び立っていることで、お互いの価値をさらに高めあっているのではないか、などということを思いました。
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