瑞牆山
- みずがきやま -
標高2230m
(2004年9月8日)

【コース】(須玉インターより)瑞牆山荘⇔富士見平小屋⇔天ノ鳥川⇔瑞牆山

【絶景の山頂】
百名山にも数えられる、奥秩父の名山。

金峰山と隣り合っていて、日帰りで百名山を2峰踏破可能なのは、全国で唯一ここだけなのでは?

石塔の林立する塊のような特異な山容は、金峰山の上から見てもじつによく目立ちます。

中央高速から行くには、須玉インターで降り、増富温泉郷を目指します。

そのまま増富温泉を通過して林道をひた走ると、「瑞牆山荘」が現れます。

マイカー派にも充分な駐車場がありますし、バス停もあるから多分バスがあるのでしょう。

奥秩父の中でもかなり人気の高い山のようです。


人家の無い林道をひた走ると、一軒だけぽつりとこの「瑞牆山荘」が現れます。

瑞牆山や金峰山を目指すハイカーが宿泊することも多いようです。

立ち寄りはしませんでしたが、食堂はかなりオシャレな感じ(カフェテリア風?)に見えました。

またトイレ(冬期は閉鎖)、バス停が近くにあり、40台くらい停められる大きな無料駐車場もありと、
登山口としての機能はばっちりです。
フィトンチッドの濃厚な夏の山道を登ると、小屋が見えてきます。

富士見平小屋です。
かつてここで忌まわしい出来事があったとのことですが・・・

何しろ昔のことなので詳細はよく知りませんが、1983年に殺人事件があったと聞きます。

その先入観があったせいでしょう。

遠くの枯れ木などが人の姿に見える錯覚が何度かあり、少々動揺しました。

往時を思わせるものなど何も無い、ただの明るい登山道なのですが。
富士見小屋を後にしてしばらく行くと、小川山への地味な分岐があります。

標識が無ければ見過ごしてしまいそうな、薄い道が分かれています。

小川山がどういう山なのか、この時は予備知識が無かったのですが、瑞牆山の山頂から眺めてみると、意外にも存在感のある膨大な山でした。
途中、天鳥川を渡ります。

といっても、かなり源流に近いあたりで流れも細いため、靴を濡らすこともなく楽に飛び越えられます。

ただし、増水時は渡渉禁止との看板がありました。

川を渡ったあたりが広場になっていて、ベンチもあります。

せせらぎの音も心地よく、休憩には好適地のようです。
天鳥川を渡ると、いよいよ岩の多い斜面を急登。

ぐんぐん高度を上げていきます。

途中でザイル有り、ハシゴ有りの岩場を乗り越えて、一路高みを目指します。
やがて樹木が途切れる頃には、圧倒的な存在感の「大ヤスリ岩」の足元に来ています。

この岩の右側を巻いて登るのがコースです。

が、間違えて左側を巻いてしまいました。

その先は足場が尽きて、足の下は遥かな断崖でした。


気を取り直し、正しいルートに復帰しました。
大ヤスリ岩を右に巻き、次は山頂部分の岩を左から巻くようにして、最後は北から山頂に登りつめます。

最後のハシゴを登ると、樹木が途切れ、一面の青空と「瑞牆山」の山頂標識が!

山頂は、風雨に磨かれて角のとれた巨岩の上でした。

足元は一個の岩なのかどうか、判然としませんでしたが、樹木は無く、眺望は最高です。

9月の青空がどこまでも広がっていました。
山頂に着いた12:10頃は、先客が一人いた程度だったのですが、少し休んでいる内に、後から後からハイカーがやってきました。

平日にもかかわらず、気がつくと山頂は大賑わい。

なぜかザックを背負っていないギャル風のコまで居て、一瞬、700m以上の標高差を疑いました。

さすが、百名山の声望は偉大なものがありますね。

山頂からも、大ヤスリ岩は実に目立ちます。

頂上部に微量の草木が生えていることが、上から見て分かりました。

しかし、どこから見ても上に登るルートは見当たりません。

ロッククライマーを含めても、果たしてあの上に登った人間はいるのでしょうか・・・
信州の山々はあまりピンと来ないのですが、東方を眺めると、お馴染みの金峰山が雄大な山容を現していました。

近くで見ると巨大な五条岩が、とげのように小さく突き出ています。

以前、金峰山に登った時は、稜線から瑞牆山の不思議な山容を眺め、どうやって登るのだろうと想像したものでした。

それが今度は逆に、その瑞牆山の上から金峰山を眺めています。

この2つの山は、近くに並び立っていることで、お互いの価値をさらに高めあっているのではないか、などということを思いました。


見た目は険しいけれど、百名山だけあって登りやすいルートが確立されている山です。

岩場が多いので悪天候時は滑落が心配ですが、通常の登山装備であれば楽勝でしょう。

山頂の展望は必見です。